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NEWS外国にルーツを持つ生徒対象の入試一覧
NEWS外国につながる高校生のための進路体験まとめ
注意: 大学の入試制度などは変更されている可能性がありますので必ず進学先のホームページでご確認ください。
ルーツ | ブラジル | |
日本に来た時期 | 小学校5年生 | |
当時の在留資格 | 定住者 | |
出身高校 | 白山高等学校 | |
進学先 | 横浜国立大学大学院 | |
学部学科 | 教育研究科教育実践(日本語教育領域) | |
奨学金の有無 | 有り | |
奨学金の種類 | 給付型:さぽうと21(返済不要)、授業免除 | |
入試方法 | 一般入試(筆記試験,小論文、口述試験) | |
入試日 | 2018年10月 | |
入試方法のURL | https://www.gsedu.ynu.ac.jp/exam/index.html |
はじめまして、ミシェリです。私は10歳の時に来日しました。よくブラジル人には「日本人だね」、日本人には「ブラジル人だね」と言われます。私自身は「日系ブラジル人 Japanese Brazilian)であると感じます。好きなことは海外の映画鑑賞です。アメリカ、ブラジルとフランスの映画やドラマをよく観ます。嫌いなことというよはホラー映画を観ることです。完全に嫌いと言える物は魚しか思いつきません。
来日した当時は日本語を話すことだけでなく、読み書きも出来ていませんでした。そんな状況の中で公立小学校に編入したため、勉強だけでなく友達作りや環境に慣れることが大変でした。周りに外国人が居ない地域に居たため、中学生になると見た目などでアイデンティティクライシスにも苦しみました。
小学校時代では学校の中ではあまり日本語の指導、教科指導を特別にしてもらえませんでした。しかし、来日して2年目に地域に日本語ボランティア支援教室に出会い、始めて日本語の読み書きや教科学習の支援を受けていました。正直、ボランティア教室外で勉強をしませんでしたが、話す日本語自体は自然に生活の中で身についた気がします。勉強のために必要な日本語は高校受験をきっかけにボランティア教室だけでなく自習を熱心にはじめた気がします。
高校では、国際教養コース(普通科)に進学したため、やっと外国人や海外にルーツを持つ友人に出会いました。自分と同じような境遇にいる友人に出会った高校時代では外国人であることは「強み」と気づかされました。また国際教養コースでは、英語の科目が多かったため、成績(内申点)があがり、英語の弁論大会にも出ることで「自信が付く」ことが出来ました。英語で内申点が上がったことで進路選択するときにも視野が広がりました。
大学受験の時には二つの悩みがありました。一つは進学するための経済困難、もう一つは勉強したいことを絞れ切れないということでした。どちらの悩みを解消してくれる桜美林大学のリベラルアーツ学部の特別奨学生入試を受けました。おかげで、成績の上限を4年間クリアをし、授業免除を受けることができました。学部では英語学、日本語教育やコミュニケーション学を専攻する中で、日本語教育の専門性を深めたいと感じ、大学院進学を試みました。大学院でも、現実的に経済的な余裕を考え、国立大学の進学を決めました。
修士一年の時は週に3回一コマ(多くて2コマ)を履修していました。卒業要件は30単位以上と学部に比べて少ないですが、一コマのための準備時間が大変に多いです。授業では講義というより演習の授業が多いため、発表やディスカッションなど自ら考える形式の授業が多いため予習がとても大切です。読み物が多いのは大変ですが、ディスカッションをすることで知見を深めるということが楽しいです。課外では、公立小学校の国際教室のフィールドワークやオンラインでブラジル人児童の教科学習支援をしています。
当時(2015年)の特待生(授業免除枠)では必要な書類や証明書等を含めて、小論文(当時はオリンピックの是非について述べる小論文)を提出しました。その場で小論文を書く必要がなかったので、高校で日本語指導して下さった先生と夏休み小論文・レポートの書き方の指導から添削までしてくださり大変助かりました。現在桜美林大学では残念ながら授業免除という制度は無くなりましたが、減免制度が残っています。
一次審査に合格すると、最終審査として面接を受けました。面接官2人(学部長)と20~30分ぐらい面接した記憶があります。面接では、志望動機、興味のある勉強、将来の夢、小論文に関する質問でした。面接では落ち着いて取り組めるためには、いろんな人と模擬面接することをお勧めします。
提出書類の中には、成績証明書、卒業見込み証明書、資格証明書と研究計画書がありました。
筆記試験の当時に、自分の研究がどのように現場で実践できるのかについて小論文(A4x1枚)を書きました。
志望動機、研究計画書に沿って質問を受けました。
・TOEIC 850点
・英検 2級
・日本語能力試験 N1
研究計画書で書くことの特に指摘はなにもありなせん。しかし、暗黙のルールで、研究の概要、所属するであろう研究室がどのように自分の研究に有効なのかについて書きます。インターネットで調べるとたくさん書き方のアドバイスもありますし、対策本もあるので様々なツールを「明確性・論理性」のある計画書を心掛けてください。私はギリギリに計画書を作成し始めたため、担当教授に大変迷惑をかけました。余裕を持って計画作成をし、教授に指導を受けると良いです。
大学院の筆記試験は専門性を問うものだったため、事前から過去問で試験の流れを把握し、試験対策を練りました。わたしの場合は日本語教育領域だったため、「日本語教育能力検定試験」の対策本と日本語教育の用語集を使って試験対策をしました。
私が受けた大学院では、圧迫面接のような形式でした。でも、学校説明会で事前に先輩から面接の様子を伺っため、当時は落ち着いて答えられるように練習した思い出があります。先輩にアドバイスをもらうと心強いと思います。
学部では入試の時点から授業免除枠を受けたため、授業免除を4年間受ける権利を得ることが出来ました。しかし、授業免除ができるかどうかは成績の上限を超える必要がありました(GPA通算3.5以上)。唯一支払いが必要だったのは、年間30万(施設費等)でした。その費用を賄うために、「さぽうと21」の生活支援プログラムと坪井一郎 ・ 仁子学生支援プログラムを受けました。さぽうと21の支援プログラムは給付型の奨学金で生計の状況によって月に2万~5万をもらいました。書類審査と面接がありますのでホームページで募集要項をチェックしてみてください。
私の両親は日本の進学制度がわからないため、学部や大学院の進学について相談をしませんでした。最終決断や奨学金を借りるかどうについてだけお話しました。しかし、学校の先生や日本語ボランティア教室の先生方に相談し、たくさんのアドバイスをもらった記憶があります。
私は高校でどれだけ頑張ったのかで大学進学の道が切り開くと痛感しました。たくさん遊んでください。でも勉強も大切にし、内申点の自己ベストを更新し続けてください。テスト時間だけに勉強せずにコツコツやると成績に反映するので、習慣付けするといいです。進路を考えるとき経済的な不安があると思いますが、奨学金を借りる可能性だけでなく、成績が良いと給付型の奨学金にも申し込みができるので安心してください。勉強頑張ってね!!
将来は年少者日本語教育(外国人児童の日本語教育に関する分野)を専門とする教授になりたいです、教授までの道のりは大変長いですが、卒業後は小・中学校の現場で子どもたちの日本語指導などをするつもりです。今後ブラジルの大学で日本語教師の仕事もしてみたいです。
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